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ビジネスに直結ー映像コミュニケーションの新時代

 映像を活用した遠隔地とのリアルタイム・コミュニケーションをビジネスに活用するシーンが拡がっています。ブロードバンドの普及やインターネット技術の発展等により高品質のシステムやサービスが低コストで利用可能になっています。多様化する製品の使い勝手や効果的な活用について、事例を踏まえて紹介します。

多様な映像コミュニケーションのシステム

 映像を使って遠隔で会議や打ち合わせを行う映像コミュニケーション・システムは、かつてISDNが主流だった頃は音声飛びや画面落ちなど品質が安定せず、動きもぎこちないという問題がありましたが、今ではブロードバンドの普及やネットワークのIP化、圧縮技術の進歩などにより、高画質・高音質な映像をスムーズにやりとりできるようになり通信費も大幅に下がるなど、利用環境が格段に向上しています。
 映像コミュニケーション・システムは、専用装置を使用するテレビ会議システムと、ウェブブラウザを使うウェブ会議システムなどパソコンベースのものの2つに大別されます。カメラ、マイク、スピーカを組み合わせたテレビ会議システムはここ数年で価格が大幅に低下し、大企業以外にも導入の裾野が広がりつつあります。NTTレゾナントが三菱総合研究所と共同で調査した「第1回企業のブロードバンド利用状況に関する調査」によると、映像コミュニケーション・システムを導入しているのは回答者の26.7%(図1)、利用しているシステムで最も多いのがテレビ会議システム(アンケート内の表記は「テレビ会議専用端末」)62.3%となっています(図2)。
 ただし、テレビ会議システムはシステム構築や保守費などのコストも含めるとやはり高額になるため、多くの拠点に導入するのはコスト的になかなか難しい面があります。そこで注目されるのがウェブ会議システムです。ブラウザベースのソフトウェアをインストールした汎用パソコンに市販のウェブカメラとヘッドセットを接続し、これらのパソコンを拠点としてウェブ会議用のサーバを介してやりとりするもので、テレビ会議システムより低コストで導入できることからこの数年で徐々に利用が伸びています。
またパソコンではなくテレビ電話端末を使うものもあります。NTT東西が提供するIPテレビ電話機型「フレッツフォン」はテレビ会議用に使えるほか、Web閲覧やメール等の汎用インターネット端末としても利用でき、プロバイダやNTT東西のIPテレビ電話サービスにも対応しています。タッチパネル型で操作性に優れており、端末価格も1台10万円以下と手頃です。

図2利用している映像コミュニケーションシステムの種類

目的によって使い分け

 テレビ会議システムは対面コミュニケーションに近づけることを主眼として高度な画質や音質を追求した製品で、代表者会議のような決まったメンバーが互いに顔を合わせることを重視する用途に向いています。
 それに対してウェブ会議システムは映像や音声の品質はやや劣る代わりにコストが安く手軽で、利用する場所を問わないなど、使い勝手のよさが優先されます。テレビ会議システムのように専用端末が置いてある会議室を予約する手間もいらず、オフィスの自席、自宅、外出先など、さまざまな場所から参加することができます。参加者の端末上でファイルやアプリケーション画面を共有したり共同で編集する機能も、ウェブ会議システムの方がより便利に使えます。そのため、一般社員レベルの日常的な打ち合わせや本社と営業所間の販売会議、営業会議など、必要なときにすぐ利用でき、資料をつきあわせながら協議したり共同作業を進めるなど、実務的なコラボレーションに効果を発揮しています。また社内だけでなくインターネットを介して取引先や顧客など社外との打ち合わせにも活用でき、画面上のドキュメントを見て協議しながらその場で契約書や見積書などを作成することもできます。

導入を容易にする多様なサービス

 テレビ会議システムは端末同士を直接結んで1対1でやりとりするピア・ツー・ピアが基本で、3拠点以上の複数拠点を同時に接続する場合、「多地点接続装置(MCU)」と呼ばれる専用装置が別途必要になります。
  一方、ウェブ会議システムはIPネットワークが前提で、パソコン同士でやりとりするのではなく、テレビ会議システムのMCUにあたるウェブ会議用サーバをIPネットワーク上に置き、そのサーバに社内LANやインターネットを介して各拠点のパソコンが接続する形態となります。 いずれも端末やサーバを企業が自前で設置する方法以外に、IPネットワークを通じてその機能を提供するASPサービスがあります。ハードにかかるコストが不要になるため1ユーザあたり月額数千円程度からと安価に利用できる上、オプションサービスを利用して手軽にカスタマイズできるなど、中堅中小企業向けのサービスといえます。NTTビズリンクが提供する「フレッツIP多地点サービス」はIP対応のテレビ会議システムを対象にしたASPサービスで、クローズドなフレッツ網を利用するため高いセキュリティと品質が確保されています。IPテレビ電話機型「フレッツフォン」の接続も可能で、携帯電話機FOMAからの接続やレンタル会議室などのサービスもオプションとして用意されており、柔軟な利用環境が実現します。

 図3 テレビ会議とウェブ会議の構成比較(図をクリックすると拡大表示されます) テレビ会議とウェブ会議の構成比較

さらに広がる利用シーン

 多様なシステム、サービスが低コストで利用できるようになったことから、映像コミュニケーションの利用シーンも多様に広がっています(図4)。導入業種や用途も多様化しており、コミュニケーション・ツールとしてだけでなく、社内資格取得のための遠隔研修、店舗のフランチャイズ店舗や工場の遠隔監視、派遣社員の事前面接や求職者の面接など、ビジネス活動の効率化に役立てられています。

図4 映像コミュニケーションの効果
(図をクリックすると拡大表示されます)

 またBtoCの顧客サービスにも幅広く利用され、サービスの高度化に貢献しています。例えば、店舗内に専用のテレビ電話端末を設置して口座開設や各種申し込み手続き、金融相談などを受け付ける金融機関が増えています。このような遠隔相談サービスは、ほかにも宝飾店など小売店での接客、行政相談や介護相談、就職相談などさまざまな分野で導入が進みつつあります。そのほか、塾や予備校、英会話学校などの教育サービスでは遠隔講義や個別指導に映像コミュニケーション・システムが導入され、例えば予備校では模擬面接など実技型の授業に効果を発揮しています。今後はコンタクトセンターなど顧客窓口での活用が進むと期待されます。既にパソコンのヘルプデスクなどに活用されており、顧客のパソコンを遠隔操作しながら操作方法などを説明してサポート業務の効率化に役立っています。
前出のアンケートから、映像コミュニケーションの効果として時間節約やコスト削減効果が評価されていることに加えて、今後は情報の共有化や経営のスピードアップ、顧客サービスの向上などの経営効果に対する期待が高まっていることがわかります(図5)。映像コミュニケーションはその普及に伴い、リアルにはない高いコミュニケーション効果をもたらし、ビジネス改革や新規事業開拓などビネス・ツールとしても有効活用される方向で発展を続けています。

図5 映像コミュニケーションの効果(現在と今後)

執筆 (株)情報通信総合研究所 主任研究員 宮下 啓子

<本記事の関連情報>
→テレビ会議ソリューション
→オフィス光ソリューション:会議ソリューション(映像)
→フレッツフォン(ビジネス導入事例)

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