|
理論的には、スーパーワイドLANに音声データを流しても、帯域が異なっていれば、他のデータが干渉することはないはずである。しかし、実際にシステムを動かした際に、ノイズが生じたり、通信が途切れたりすることが絶対にないとは言い切れない。
「市役所としては電話は通信手段の命。故障がある、障害が起こるといったことは簡単に許されるものではありません。本当に問題なくシステムが動くのか、きちんとした検証が必要でした」(坂間氏)
そこで、2005年6月、NTT東日本の協力の下、検証実験としてシステムの一部を3日間動かした。その結果、データ的にも良好な数値を得られていることが確認され、体感上も従来と同等の、むしろ少しクリアな音質となることが分かった。
NTT東日本では「何曜日の何時にどのくらいの量の発着があるか」をすべて調べるトラフィック調査も行った。この調査の結果から、必要とされる回線の本数を決めていった。
「IP電話を導入する際の留意事項としては、市民に迷惑をかけないということがありました。具体的には、市民がこれまで使ってきた公共機関の電話番号が変ってしまってはならないということです。それから、いくら金額が安くなっても、災害時に使えないのは好ましくない。東海地震などで起こると想定される大規模停電の際にも、ちゃんと電話が通じるということが大切です。また、110番や119番がかけられないといった、通常IP電話によくある問題点もひとつ一つ克服していきました」(坂間氏)
藤沢市役所様は、災害時に備えIP電話と従来の電話回線を併用する形をとり、平常時には料金の安いIP電話を優先的に選択するようにシステムを組んだ。
こうしてIP電話の導入を進めた結果、内線専用線の廃止によるコスト削減で年間800万円、外線の廃止で300万円、通話料の削減で400万円、ここから新規投資分を差し引いても年間1,000万円以上のコスト削減が実現した。
|