|
―― 今後IT化によってビジネスはどのように変わると思いますか?
急速にブロードバンドが普及していますが、会社や世の中のしくみは、ブロードバンド以前につくられたものが多い。IT化が進んだとはいっても、現在のシステムは必ずしもブロードバンドを前提としていないころのものがまだまだ多いと思います。今後はブロードバンドを前提としたまったく違うアプローチで、新しい価値を産み出そうとする人たちがたくさん出てくるのではないでしょうか。そうなると、大幅なコストダウンはもちろん、仕事の進め方、営業の仕方にも大幅な転換がおこります。
パソコンやシステムの処理能力はどんどん速くなっていますし、携帯電話も高機能化している、ICカードやネット決済なども当たり前のように使われ始めた。知らず知らずの間に既に身近なところで大きな変化が起こっています。そうした変化にブロードバンドという安くて早くて便利なプラットフォームが加われば、いままでは夢だったこと、コストや性能の面であきらめていたことが実現できるようになります。まったく新しい経営やビジネスが登場してくるでしょうね。
―― 経営者の方の意識も変わってきていますか?
少なくとも、「ITのことはわからないから全部任せている」というような経営者は、確実に減ったと思います。IT部門の方々はずいぶん前から本格的にいろいろ検討していましたが、これまでの経営者には、「お金ばっかりかかってねえ」というように思われている方が多かったように思います。例えばホームページ構築のご提案に伺っても、ちょっと前までは「営業部がきちんと仕事をしているから、ホームページなど役にたたない」「単純なコスト増になるだけだ」と言われるケースが多くありました。ところが、そういう会社も、しばらくすると「ホームページからの注文の方が増えてしまったよ」とおっしゃっている。インターネットは、既にビジネスを取り巻く環境に自然に入り込んでしまっています。今では、経営者の方々も、企業経営の中で当たり前のようにITについて自ら考える、あるいは自ら触れるようになったと思います。
経営者の方々には、「企業のIT化という意味では、事前にビジョンを明確にして設計をしっかり検討しましょう」ということをお伝えしています。社内の業務を細切れにシステム化していくと、うまく効率化につながらずに難しいシステム統合が必要となるなど、とても苦労します。私どもの会社でもずいぶんと苦労しているくらいですから(笑)
―― ご自身の経営においては、ITの使い方で工夫していることはありますか?
「オープンで風通しの良い会社にする」ということにはこだわって使っています。ITというほど大げさなものではありませんが、私のスケジュールは社内システム上でオープンにしています。また、社員に公開しているブログでは、今日一日どのような場所でどのような活動をしてきたか、どんなことを考えたか、といったことを毎日書き綴っています。もちろんオープンにできない情報もありますが。自分の会社のトップが何をやっているのかがわかるというのは、会社の方向性を理解するうえで大切なことですし、社員に対してそういったことをオープンにしていくことは、経営者の義務なのではないかと思っています。
|