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---ところで、社長はITの導入にも積極的だったと伺っています。社長とITの出会いについてお伺いしたいのですが。
私がITを意識するようになったのは、はじめてメールを経験した1995年。あのときの感動は、ちょっと忘れられませんね。というのも、当時、私はニューヨークや北京など、各国のホリデイ・インとのやりとりにずいぶん苦労していたのです。通信手段といえば電話かファックス。わざわざ時差を考えて電話するなんて、煩わしい限りです。
ところが、メールはそんな面倒を一気に解消してくれました。夜メールを送っておくと、目覚めたときには返事が返っているのだから驚いたものです。海外出張中でも、会社の情報を随時チェックし、物事を決定し、指示を出せる。「メールなら、あれもできる、これもできる…これは一人で何役もでもこなせるぞ」と気づきました。
---1995年というと、ちょうどインターネットが普及しはじめた頃。メールのメリットなど、ご存じない人も多かった頃ですね。
その通りで、私も、まずメールがどれだけ役立つものか従業員に実感してもらうことから始めました。96年に、部課長全員にアドレスとパソコンを持たせ、気軽にメールが利用できる環境を整えたのです。すると、実際にみるみる経営がスピードアップしていく…大手の外資系ホテルでも、一台のパソコンを十人近いスタッフが並んで使っているという時代の話です。
---現在は、どのようにITを活用されていらっしゃいますか。
大きく分けてふたつの方向があります。ひとつは基幹系の業務支援です。各セクションのスタッフが、収益を逐一把握できるようにするのが、その目的ですね。もうひとつがマーケティングで、これはホームページがメインになっています。
---近年では、ホームページで宿泊予約するのも、もう当たり前になってきていますよね。
目指しているのは、旅行代理店に負けないホームページ。お客様に直接アクセスしていただき、予約していただくのが理想です。これなら代理店に支払う手数料が発生しませんからね(笑)。現在、宿泊予約の39%がホームページでのお申し込み。これをもっと高めるために、ホームページの見直しと更新には力を入れています。
ただし、力を入れると言っても、むやみにコストをかけていいとは考えていませんよ。企業にとって大切なのは、やはり利益率です。そのため、5年も前からeコマース事業室を立ち上げ、費用対効果をにらみながら計画の立案や見直しを行う仕組みをつくってきました。私たちのように、eコマースに組織的に取り組んできたホテルはそう多くはないのではないでしようか。
---その5年前と今では、eコマースの環境や活用法もずいぶん変わってきているのではないでしょうか。
確かに、ちがいますね。以前は「とにかくホームページを作りさえすればいい」といった感じでした。でも、これからは、それでは通用しません。さまざまなポータルサイトとどう連携していくか、といった取り組みがポイントになると考えています。ある意味、百貨店に出店するのと同じ視点や戦略が必要ですよね。
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